税理士試験の難易度が高い理由は合格率が低いから

税理士試験は国税庁によって1年に1回だけ行われている国家試験です。試験内容は主に会計学(簿記論、財務諸表論)と、税法(所得税法、法人税法、国税徴収法、相続税法、固定資産税、消費税法、酒税法、住民税、事業税)の2種類の分野に大別されています。この中から合計5科目に合格すると、税理士資格を得ることができます。

 

そして会計学の2種類は必修科目ですが、税法に関しては9種類の中から自由に選択することができます。

 

ただし注意点としては、受験科目に税法の消費税法を選択した場合、酒税法を選択することができなくなります。反対に受験科目に酒税法を選択した場合も、消費税法を選択できなくなるという決まりがあります。また、住民税と事業税に関しても同じ決まりがあります。

 

これらの科目はそれぞれが合格率10%から20%しかない高難易度を誇っており、5つ同時に合格するというのは至難の業です。

 

しかしながらこれ等の科目は、一度の試験で5つ同時に合格しなければならないというものではありません。つまり、5つの科目の内2つしか合格できなかったとしても、その2つの合格の結果を次年度以降の税理士試験に持ち越せるということです。

 

したがって、仮に初めての税理士試験で2つの科目しか合格できなかったとしても無駄というわけではなく、次年度には税理士試験の科目を3つ合格するだけでよくなるということなのです。

 

それゆえに、基本的に税理士試験は一発合格を狙うというよりは毎年地道に数科目に合格して何年かかけて税理士資格を取るというのが一般的です。つまり、数科目に集中して2科目か3科目はほぼ確実に合格できるように勉強して、2年か3年程度で合格できるように計画する方が全科目を一発合格できるように勉強するよりも効率的といえます。

税理士試験の受験科目の中で財務諸表論は難易度が高くない

税理士試験の科目はどれも難易度の高いものですが、やはりそれぞれの科目にはその難易度の違いがあります。中でも合格する確率が高いといえるのは財務諸表論という科目です。

 

この財務諸表論は2017年度の合格者率が29・6%とかなり高かった科目で、受験者数も2番目に多かった科目の一つでもあります。29・6%という数字でみるとあまりピンときませんが、2017年度の他の科目の合格率と比べると、この合格率は2倍から3倍程度高いです。

 

したがって、税理士試験をこれから受けようと思っている方は、財務諸表論を集中して勉強する科目の一つとして抑えておくといいでしょう。

 

他の科目としては簿記論も14・2%という2017年度の税理士試験中、3番目の合格率があった科目です。また、受験者数が2017年度の税理士試験の中では最も多かったので、他の科目と数%程度しか合格率が変わらないとはいえ、統計的には他の科目より合格する可能性が高いといえます。

 

したがって税理士試験の受験を考えている方は、この2つの科目をまず重点的に勉強しておくと合格する確率がアップするでしょう。

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