税理士試験の受験科目は自由に選べない

税理士試験は科目選択制を採用しており、全11科目中5科目に合格すれば税理士としての資格取得要件を満たすことになります。ということは、どの科目を選択するかが合格・不合格の分かれ目になる可能性もあるわけです。もし受かりやすい科目があるのであれば、それを選ぶことが合格への近道となります。

 

ただ注意が必要なのは、全く自由に受験科目を選べるわけではないということです。

 

11科目のうち簿記論と財務諸表論は全受験者において必修科目となっており、また法人税法と所得税法はどちらか一方を必ず受験しなければならない選択必修科目となっています。残りの相続税法・消費税法・酒税法・国税徴収法・住民税・事業税・固定資産税の7科目は原則として自由に選べますが、一部、同時に選べない組み合わせというものがあります。

法人税法と所得税法はどちらを選ぶべき?

では、まず法人税法と所得税法はどちらを選んだらよいのかという点についてですが、インターネット上の口コミを見る限りでは受験者ごとに意見がまちまちであり、どちらが優勢とはっきり言うことはできません。また、国税庁のホームページに掲載されている過去の税理士試験実施状況を見ても、両者の合格率に大きな差はありません。

 

ただ、この2科目には受験者数に大きな違いがあり、例年、法人税法の受験者数は所得税法の受験者数の2〜3倍となっています。

 

これだけ受験者数に差が生じる理由はいろいろ考えられますが、最も大きく影響していると思われるのは、法人税法の方が合格後に会計事務所に勤務したり企業の経理部門に所属したりした場合の担当業務に直結しやすいという点です。つまり、学習意欲が湧きやすいわけです。ただ、勉強しやすさについては個人の嗜好も影響してくるため、どちらが良いとは一概に言えません。

税理士試験の選択しやすい科目とは?

次に、残り7科目についてですが、こちらも過去の合格率自体は目立った差がありません。

 

一方、受験者数については毎年消費税法が目立って多いという特徴があります。これは所得税法と同様、税理士は商店と顧問契約を結んだりすることが多いので身近に感じやすく、「受かりやすい」というわけではないものの「とっつきやすい」科目であるためと考えられます。

 

その他の科目についても特に優劣はありませんが、ただ、選択しやすい科目の組み合わせというものがあります。たとえば事業税は法人税法と、住民税は所得税法とそれぞれ試験範囲が似通っていることから、一緒に選択することで効率的に学習を進めることができるという面があります。

トップへ戻る