税理士試験の受験生の平均年齢は高い

税理士試験は、他の士業試験と比べて合格までに非常に長い時間が掛かる事で有名です。

 

税理士試験は、簿記論と財務諸表論の会計学が2科目、法人税や所得税などの税法が9科目の計11科目から5科目を合格すれば晴れて合格となります。また、一度合格した科目は一生涯有効となるため時間をかけて一科目ずつ合格していくケースが多く、反対に5年程度で合格できればすこぶる順調であると言えるでしょう。

 

こうした背景から税理士試験の受験生の平均年齢は幅広く、40歳を超えると受験生が急増するという特徴があります。

 

受験生の年齢が高いという事は、実際に職業として働いている年齢も高くなります。30代以下で税理士として働く割合は全体の約6%、40代以下でも約18%であるのに対し、50代、60代は約20%、70代に至っては全体の3分の1以上を占めています。

 

弁護士や医師などは半数以上が30代、40代であり、70代は約7%である事を考えると、税理士は長い時間を掛けて取得し、長い年月を働ける資格であると言えるでしょう。

税理士試験は年齢が若いと合格しやすい?

税理士試験を管轄する国税庁は、試験結果を学歴別や年齢別、科目別などに細分化して公表していますが、それによると平成29年度の総受験者数は32974人となっています。

 

年齢別の受験者数を見ても例年と比べて大きな差異はなく、30歳以下は9586人、31歳から40歳までは12068人、41歳以上は11320人であり、実に3分の1以上が41歳以上ですが、一方で25歳以下の若年層は一割程度の3960人しかいません。

 

しかし、合格率は学生など勉強に専念できる環境がある若年層が高く、一部科目合格を含む合格者数は25歳以下で34%、30歳以下でも26.5%となっており、平均合格率が10%から15%と言われている税理士試験において高水準を保っています。

 

もちろん、受験生の多くは必須科目で合格率の高い簿記論や財務諸表論からチャレンジするケースがほとんどであるため、若年層の合格率が高くなるのは当然です。

 

ただ、5科目に合格する割合は26歳以上であれば2%から3%で推移しているため、20代後半から30代前半で試験にチャレンジしても決して遅くはありません。

税理士試験は年齢が高い人も計画的に勉強すれば合格可能

このように30代や40代の受験者が多いという事は、税理士試験は働きながらチャレンジする試験と言えます。そのため、仕事やプライベートを考慮した計画的な勉強や受験が重要となります。

 

例えば、会計学を合格した後に一年間受験を休み、税法の基礎をしっかりと身に付けたり、自分の仕事に合わせた税法を選択する方法などは効果的です。特に税法は頻繁に改正がありますので、基礎をしっかりと勉強してから受験した方が良いでしょう。

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