税理士試験の4つの免除制度

税理士試験には一定の条件を満たせば合格とみなせる科目があり、そのような科目は受験を免除できることから「科目免除制度」と言われています。税理士試験は合格に5科目必要で時間もかかるため、このように1科目でも受験を免除できればかなりの負担が軽減されます。

 

科目免除制度に当てはまる条件には次のようなものがあります。

 

ます1つ目に大学院で税理士法に基づく税法か会計学に属する博士学位、または修士学位を取得した人がこれに当てはまります。但しこの場合、1科目を合格したあとでなければ申請ができません。

 

2つ目に会計士補などの特定の資格を持つ人が条件に当てはまりますが、公認会計士や弁護士などの無試験で登録が行える資格は条件に当てはまりません。

 

3つ目は国税などの実務経験がある人です。但し業務の内容と経験年数によって免除になる科目が違います。

 

4つ目は3年以上規定の科目の教授や講師などの職についていた場合、その科目の試験が免除されます。

税理士試験の科目免除を利用している受験生は増加傾向

税理士試験は5科目すべて合格するまで数年単位の時間を要する人が多数います。そのため科目免除制度の導入後は、受験の負担を軽減する目的で免除を1科目以上受けて税理士になる人が多くなっています。

 

特に「学位授与による試験の免除」は利用者が増えており、これは大学生が大学院に進学して博士学位や修士学位を取得すれば1科目が免除されるので、その分税理士試験に合格しやすくなるためです。

 

平成28年度の税理士を対象にしたアンケートによると、全体のおよそ30%におよぶ税理士が科目免除制度を受けて税理士になったという結果があります。

 

すべての科目の試験に合格して税理士になった人が毎年ほぼ同じ人数なのに対して、科目免除制度を受けて合格した人の数は1年ごとに増えているため、それだけ科目免除制度を受けた場合は税理士試験に合格しやすいと言えるでしょう。

税理士試験の科目免除のメリットとデメリット

科目免除制度を利用するメリットは特定の試験が免除になることで、大幅に税理士試験にかかる負担が減少することです。

 

例えば税理士試験で税法科目の1科目に合格して博士学位などが認められると、あとは必要不可欠な科目である2科目の会計学に合格すれば税理士の資格が得られます。この際、5科目目に難易度の高い所得税法や法人税法を選ぶ必要がないため、最小限に負担を抑えて税理士の資格を取得することができます。

 

税理士として仕事をする上で所得税法や法人税法は欠かせないものですが、税理士試験合格に至る負担を考えた場合、難易度の高い所得税法などを学ばなくてもいいのは大きなメリットだと言えるでしょう。

 

また、デメリットとしては、本来科目免除をされるだけの実力がないにもかかわらず免除がされた場合、税理士として実際に勤務したときに何か問題が起こるたびに周囲から免除を理由にされやすくなることです。

 

さらに科目免除のために大学院に進学しても論文によっては科目免除にならない可能性があることもデメリットの1つです。

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